いのちの壱の種もみを販売するに至った経過

2021年2月1日

「いのちの壱」の種もみの販売にあたって

 

 株式会社「龍の瞳」(本社岐阜県下呂市、今井隆社長、以下弊社)は、登録商標「龍の瞳」(ブランド名)の原種である「いのちの壱」の種籾販売を始めました。

 目的をひとことで言えば、「いのちの壱」の銘柄で質の良くない米が一部に出回っている現状を改めることにあります。原種の適正管理のもとにできた種籾を広く流通させることで、検査機関に対しては銘柄認定に必要なより実質的な判断指標を提示できると考えました。不適切な形で種籾が流通するのを抑え込むことで、「いのちの壱」の品質の安定性を高め、ひいては銘柄そのものへの信頼をより強いものにしていきたいと考えております。

 米の品種と産地、産年などの品質表示は、農産物検査法に基づき、正規の検査機関の証明によって行われております。各都道府県の検査機関が、申請によって指定した「産地品種銘柄」に該当するかどうかを検査し、公正さを担保する制度です。

 産地品種銘柄は、当該産地のすべての検査機関で検査できる「必須銘柄」と、特定の機関で検査可能な「選択銘柄」に分かれます。「いのちの壱」は現在、岐阜県をはじめ十一の県で選択銘柄になっております。中には、弊社から種籾を供給していない業者からの申請に対して、銘柄の検査証明が出された例もありました。その一方で、弊社由来の種籾ではなかったため、「試験栽培を2年間行って申請したが、銘柄証明がもらえなかった」として、弊社からの種籾供給を検討している生産者の方もいらっしゃいます。

 頭を抱えているのは、原種管理されていない種籾を、自家採取由来のルートで購入されてしまった生産者の方が全国にいらして、「生育がバラバラになっているのはなぜか」「玄米が小さい」などの問い合わせが、弊社に寄せられていることです。

 「いのちの壱」の原々種は、2000年9月に下呂市内にあったコシヒカリの圃場(ほじょう)で今井隆が発見しました。その種籾を翌年に播種して籾を採り、2002年に試験栽培。その結果をもとに、2003年4月に農林水産省に品種登録を出願。2006年に「いのちの壱」の名で品種登録を受けました。その後、事情があって育成者権は消滅しています。

 この間、2004年の原種の種籾を2013年に再発芽させました。それが現在の原種管理の元になっています。一本ずつ移植した中から、穂ぞろいが良く、玄米の品質が良いものを選別。専門の株式会社「中島稲育種研究所」(埼玉県久喜市)に預けて管理をお願いしてきました。そこに至るまでには、食味の良いものを選別するのに予想以上に時間がかかりました。また、一本ずつの特性が微妙に違うこともわかり、原種管理の大切さを、弊社としても改めて理解し直す機会にもなりました。

 なお、管理された種籾を栽培していいただいたとしても、その後の生育においては、土壌や栽培方法の影響を受けます。弊社としましては、種籾販売に当たり、弊社が培ってきた栽培方法を簡易マニュアルなどでお伝えして、「いのちの壱」の特性をより引き出せるよう応援もさせていただく所存です。併せて、自家採取につきましては、原種管理の厳しさと大切さをご理解いただいたうえで、決して行わないよう「禁止」させていただくということで、お願いとお約束もさせていただいております。ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

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                〒 509-2412

                 岐阜県下呂市萩原町大ケ洞1068

                       株式会社 龍の瞳

 

        問い合わせ先

弊社 生産課長補佐 坂本(生産・種苗管理担当)

                        電話 0576-54-1801

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